大切なものを見つけて思い出したこと。
見つけたのはタマが着ていた産着。
お腹にいた時にもう
心臓の奇形があります
出産後直ぐに手術が必要です
生まれてから2ヶ月間は循環器の小児病棟に入院します。
と医師から説明を受けた。
妊娠中に小児病棟の見学もさせてもらい
入院中に必要な物も病棟の看護師さんから詳しく教わった。
その中に
「赤ちゃんの着る服、ミトン、くつした(名前を記入しておいてください)」
があって、せっせと水通しした産着にタマの名前を刺繍した。
刺繍していたあの頃の私を思い出すと、涙が出る。
初めてこどもを授かって、嬉しくて
「両大血管右室起始症」っていう心奇形がありますって教わってもやっぱり、
私のところに来てくれた子がいるのは、嬉しくて
ずっと「たま、たま、たま!」と話しかけていた。
幸せだったのだ、わたし。
でもその一方で、どうしようもない不安もあった。
と、今の私はわかる。
なんで私の子が生まれる前から、こんなことになるのか
なんで私には何もできないのか。
そんなことを考えて妊娠期間をずっと泣いて、
悲しい気持ちで過ごしたくはなかった。
だから、自分の気持ちをごまかしながら気丈に振舞ったし
自分にできることをして過ごしていた。
だから、あの時の自分のかわりに今の私が涙を流す。
傍らには大きくなっているタマがいる。

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